☆ コロンブスの大航海をビタミンCが救った!大航海をビタミンCが救った!

◆ビタミンの働きなどを解りやすく理解するのに、代表的な話しをします!
 昔ヨーロッパの大航海時代に何ヶ月も船に乗り新鮮な野菜や果物などを摂れなく皮膚の表面などから血が滲み出るなどの病気(壊血病と言うビタミンCの不足から起こります。)になり、その他の栄養不足も重なり多くの人が航海中に死んでいました。
 その後、コロンブスがアメリカ大陸を発見してジャガイモを持ち帰りヨーロッパで栽培するようになり、そのジャガイモを保存食として何ヶ月もかかる大航海に積み込むようになり壊血病が無くなりました。これはジャガイモやさつま芋のビタミンCは加熱しても3割程度しか失われないの為です。ジャガイモやさつま芋のビタミンCはでんぷんの「のり化」現象のため、ビタミンCが流れ出たりして失われ難いのです。
 一方、ほうれん草など葉物野菜は茹でるとビタミンCが半分くらいが消失してしまいます。これはゆで汁などに溶け出したり、酸化して失活してしまう為です。又、当然保存中に枯れるなどしてどんどんビタミンCも減少します。ジャガイモやさつま芋のビタミンCは保存中に増加する事もあります。

◆ビタミンCの働き
 壊血病を防ぐという意味で、アスコルビン酸という名称がつけられました。
1 皮膚や細胞のコラーゲンの合成(シミ・ソバカスの防止)に必須であり、欠乏によりコラーゲン合成が出来ない為に血管がもろくなる、細胞間の結合が弱くなるなど出血傾向(壊血病)を示します。

症状
@ 皮下、歯茎の出血から、貧血、筋肉がやせ衰え心臓障害、呼吸困難を起こし死にいたります。これは欠乏の最終段階です。しかし、潜在的な欠乏症の人は多いと言われます。
A 疲労倦怠、イライラする、顔色が悪いなど。
2 抗酸化作用があり、過酸化脂質の形成抑制により動脈硬化の予防として利用される。
3 ビタミンEは生体内でビタミンCと協力して活性酸素の害より細胞を守っています。細胞膜にあるビタミンEが活性酸素を無毒化して変化します。そのままではもうビタミンEの抗酸化能力が失われますが、血液中などにある水溶性ビタミンCがビタミンEを再び活性化してくれます。(このとき当然 ビタミンCは不活性化され生体外に汗や尿とされ排出されます。)

ビタミンCなどは、1日1回摂取するのと3回に別けて摂取するのでは作用や働きが違います。
*朝の果物はダイアモンド(ビタミン摂取の勘違い!)を参考にしてください

◆ 雑学
*主な哺乳類(犬・猫等)や大体の生物は体内でビタミンCを合成するので必要ないと言われます。人間やサルなどの霊長類とモルモットは体内でビタミンCを合成できないです。これは人間などは本来は雑食性の動物で通常の食事でビタミンCの不足などは起ら無かった為、有る意味必要ないと退化してしまったと考えられます。しかし、人間が火を利用して調理する事を発見して食物を生で食べる事が減り出してから欠乏症が起こるようになりました。又、現在は過度の精白精製加工、貯蔵方法による損失、加工食品の増加、加熱調理法の間違い、食生活の乱れなどで欠乏症が起こってきています。
 豊かな食生活も当然素晴らしいですが、もう一度、自然や生物に学ぶ必要があると思います。
(ビタミンC以外の水溶性ビタミンはある程度腸内細菌で合成されたり、働きも違いますのでビタミンCはビタミン中でも特に重要とも言えます。従って野菜など植物性の食品より上手くビタミンCを摂る必要があると思われます。)
*日本人のように、釣った魚を生のまま食べたりすればヨーロッパの大航海時代に野菜不足によるビタミン不足もある程度は避けれたはずですが、当時のヨーロッパの食文化では加熱しない生の魚や肉を食べる習慣がなった事も原因とも考えられます。
ビタミンCなどは新鮮な野菜や果物から摂取する必要があると思うでしょうけど、加熱しない生の魚や肉、その血や肝臓などの内臓にも動物にとって必要な栄養素ですからビタミンCがあります。世界の食文化では新鮮な野菜や果物などほとんど摂らなくても加熱しない生の魚や肉またその肝臓など内臓で間接的に補っている地域もあります。
 ★これら世界の食文化は別のページでリンク予定です。(エスキモーやモンゴルの伝統的な食生活など)
◆ 葉物野菜の調理例
 ビタミンCは水溶性と言うように、水に溶けるので同じ調理でも水などに溶け出す量が多いです。(実際にはすぐに熱や酸化などにより失活する量は少ないです。)
@ ゆでる前に流水で砂や農薬などを良く落とします。ここでもビタミンCは多少溶け出したり水道水に含まれる塩素などの成分で多少分解します。
A ゆでる時は大きな鍋でたっぷりの沸騰したお湯で素早くさっと湯でます。その後、あまり長く冷水に浸けていると組織が柔らかい分ビタミンCが溶け出してしまいます。(水道水に含まれる塩素などの成分はビタミンCを分解します。)塩を入れると良いと言いますがこれは野菜の色が落ち難くする為で、直接ビタミンCの失活の防止には関係ないと言われています。 理想を言えばゆでる時工夫して茎は少し早め,葉の部分は最後にさっとゆでるなどする柔らかさが同じで良いと言われます。
B 加熱調理の時は最後入れましょう!!
 鍋物、炒め物など出来るだけ生に近い状態でそして煮汁ごと食べるのが良いです。(中華料理なども強火でさっと調理する事により、生食に近い栄養・かさの減少により野菜を沢山食べれる・虫やその卵、菌などの殺菌が出来るなど合理的な調理法と言われます。)
C 基本的に最近の大体の葉物野菜はそのまま調理したほうが良く湯でこぼす食材は少ないです。湯でこぼす野菜はほうれん草や山菜類(わらびなど)など限られています。
*ほうれん草だけは、例外で一般のほうれん草にはシュウ酸が多くカルシウムの吸収を阻害しますので湯でこぼした方が良いです。
*ワラビなど山菜などは灰汁が多いので良く湯がいたり、灰汁抜きも必要です。
*昔の日本人は、どんぐりなどをは良く水にさらして食べていました。(栗と違いどんぐりは灰汁が強いのです。)
D 味の相乗効果の面でも野菜に多く含まれるグルタミン酸の働きが重要です。
*グルタミン酸は旨みの代表的水溶性成分で現在は科学合成により化学調味料として多く使われています。以上のような調理法を組み合わせればほとんど化学調味料を使わない調理が可能です。
◆ その他ポリフェノールなどの水溶性の有効成分
 ワインブームでポリフェノールが注目されたように、今まで灰汁と言われていた成分も最近注目されています。野菜に含まれるポリフェノール類など抗酸化成分とされ活性酸素を消去すると言われてきている大切な成分として注目されてきています。ポリフェノール類などの抗酸化成分により発ガンの予防などにも重要とされてきています。
*お茶のカテキン(フラボノイド族)など多くの植物性の成分には(葉っぱ・茎・根っこ・果実など)ポリフェノールが含まれます。コーヒーなども多いです。
*ごぼうなども調理法によりどうしても変色しやすい為、水にさらしたりするだけで煮る時は下湯では要らないと言われています。
*基本的にごぼう、ジャガイモ、また林檎の変色はポリフェノールの働きで今は重要な栄養素言われます。(変色させてしまうと味覚上の低下も考えられます。)
*ほうれん草だけは、例外で、一般のほうれん草には、シュウ酸が多くカルシウムの吸収を阻害します。
 ポリフェノールなどは,本来は植物が自己を守る為の成分(抗菌作用など)です。あくまでそれが,人間にとって適量であれば有効に働くのです。(摂りすぎは良くないです。抗菌作用も有る訳ですから、トイレの芳香や殺菌剤にも化学合成されたもの使われています。)
 又,最近ではポリフェノール以外にもフィトンチット(植物から,放出される抗菌成分)、やスプナウト(植物の新芽が出す成長ホルモンに近い成分)なども有効とされ注目されてきています。 ペニシリン(抗生物質の代表)も本来アオカビなどの自己防衛、抗菌成分として発見されました。
 食品にはこれら以外にも有効成分も沢山あると思われます。今までの科学や栄養学などで解明されていることはそれらの一部で目安です。今後も少しずつ解明されるでしょう、あくまで人間のためで無く植物が自己防衛などのための成分であり人間には上手く使えば,有効に働くとゆうことと思われます。
*ビタミンCやポリフェノールなど抗酸化成分は料理の酸化防止などにも有効で食品の味を落としません。
◆その他水溶性成分のビタミンB群など水溶性ビタミン、カリウムなどミネラル類にも同じように調理の損失などに同じような事が言えますので今後追加します。

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